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2024/05/03

はじめに


はじめに
はじめまして、当ブログ管理人ふくと申します。

このブログはオリジナルBL小説をメインに更新していく予定です。版権物や2.5次元の創作物もぽつぽつ上げるかもですが、メインはオリジナルです。BLに興味がない、意味がわからないという方は回れ右でお願いします。

基本ギャグの下品な話がメインです。書いたものを見ていただくとわかると思うのですが、管理人は頭の悪い人間なので、変換ミスやおかしな点などぼろぼろ出てくると思います。発見した際にはどんどん指摘してください。お願いします。
ただ、あまり強い言葉で言われてしまうとへなちょこな私はへこんでしまいます。この低脳マジ生きる価値無い等の本音はそっと皆様の胸のうちに留めて頂いて、あれ使い方違うんだけど。これ間違ってない?位でお願いします。
また当ブログの話を読んで、マジつまんねーし。気分悪いわここまでひどいのかけるとか逆にむしろ才能じゃね?と思われる方もいるかと思います。その際も本音はどうか胸のうちに留めて頂いて、こんなサイトはさっさと閉じて他の素敵なサイトさまへ旅立ってください。

あれな描写がある話や2.5次元のものを上げる場合は、鍵をつけるなどして対応していこうと思っています。

ALIENについて
この作品は私が以前運営していたBLサイトで同タイトルの作品を連載していました。
更新停滞の末、ホームページ作成をしていたサービスが知らぬ間に終了していたため何のお知らせもしないまま突然サイトが消えたような状態になっていると思います。情けないです。
へっぽこサイトだったのでご存じの方はいらっしゃらないと思いますが、もし当時サイトに遊びに来てくださった方がここを見て下さっていたらごめんなさい。中途半端なまま完結もせず消えてしまって本当に申し訳ありませんでした。

今連載中のALIENは前サイトのものと登場人物の名前も性格も話の内容も違いますが、お洒落を頑張るフツメンがイケメンの変なピンク頭にいいようにされていくというざっくりしたあらすじは同じです。
個人的に気に入っていた設定だったので、ちゃんと完結させたいと思ったのですが、残念ながらログが残っておらずサイトも消えている状態で…色々迷った結果新しく焼き直して書くことにしました。
これについて諸々ご意見等ある方もいらっしゃるかもしれませんが、どうかどうか鼻で笑って流してくだされば嬉しいです。

リンク
当ブログはBLを扱うサイト様に限りリンクフリーです。好きなように張ったり剥がしたりしてください。
報告は不要ですが、してくださったらこっそり遊びに行きます。

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何かあれば下のメールフォームからどうぞ。ブログに関すること、他質問から雑談までお気軽に。



管理人
ふく
最近は木日と某アメリカの某キャプテンにぞっこんラブ。大分発酵が進んでおり、餌を求めてネットの海をさ迷う日々。
そばとうどんならうどん。おにぎりとパンならおにぎり。犬と猫は可愛くて選べません。

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2020/04/01 未選択

ALIEN6


田嶋君の一日
帰宅後、家にて



出張が多くあまり家にいないサラリーマンの父、パートと趣味のフラダンスで毎日忙しそうな母、近所のカラオケ喫茶に友達と通う優しい祖母、うるさくてワガママで外面ばかりいい大学生と社会人の姉二人、あとは犬のぺろと俺。
自分で言うのもなんだけど、ごく普通のありふれた1家族だと思う。ちょっと前までの俺がそうだったように、毎日何となくそれなりに楽しかったり悲しかったりしながら日々を過ごしてるどこにでもいる人達。

そんな変わらない日常を送っていた我が家に、非日常が飛び込んできた。そう、文字通り飛び込む…もとい我が家に上がり込みやがったのだ。
いや、今回に限ってはこっちも悪いんだけども。

お気付きかとも思うが、我が家に上がりこんだのは宇宙人こと天美先輩。ご丁寧に毎日俺なんかの送り迎えをしてくれるピンク頭の奇想天外イケメンだ。

今日もいつものように俺を玄関先まで送り届けてくれて。じゃあまた明日、となったところで先輩の背後から聞きなれた声がした。これがすべての始まりだ。

「お帰り忍。お友達?」
「あ、ただいま。えと…この人は」
「はじめまして、忍くんと仲良くさせていただいてます天美徹といいます。忍くんのお姉さんですか?」
「あら!あらあらまあまあ!」

きゅんきゅん。
つかれた顔でネギの刺さった買い物袋を持った母は、先輩が振り替えるとまるで別人のようにその小さな瞳をキラキラと輝かせた。胸のときめきまで聞こえてきそうなテンションの上がりかただ。イケメンは主婦をも虜にするらしい。
そして止めがお姉さんですか、だ。
いっておくがうちの母親は世間で噂の美魔女なんかじゃない。背が低くてちょっと目が小さい、髪はセットするのが面倒だからという理由で伸ばし続け、常に1つに結んでいる。そんなどこにでもいるちょっと疲れた主婦だ。
その主婦に向かっておねいさん!ねーわ。ガチねーちゃんが聞いたらキレて暴れだしそうだおーこわ。

「忍にこんな素敵なお友達がいたなんて知らなかったわー。夕飯まだでしょ?よかったら一緒にどう?」
「ありがとうございます。でもご迷惑じゃありませんか?」
「一人分くらい増えたってどったことないわよ」
「そうですか?僕は嬉しいんですけど忍くんは…」

ドン引きしている俺を差し置いて、母と先輩の間でどんどん話が進んでいく。やめて。この人家にあげたらご飯できるまで俺の部屋においとかなきゃじゃん。まじやめて。
しかし俺の願いもむなしく、母の忍もいいわよね!の一言で全てが決した。女系家族で母親に逆らうとかマジ無理ゲー。

「ただいまー」
「おじゃまします」
「汚いとこだけどどーぞ。ほら忍スリッパ!」
「はいはい」

玄関脇に置かれているスリッパを先輩の前に置く。今まで俺の友達にスリッパなんて出したこと無いくせに。イケメンだから?ねえイケメンだから?

「忍ー!いつものワックス買ってきといて!明日までにね!」
「こら潔子!忍のお友達が来てるんだからちゃんとしなさい!」
「友達ー?ちゃんとイケメンつれてきてんだろー…な」
「お邪魔してます。天美徹といいます」

夕飯がてきるまで俺の部屋で待つと伝え、階段を上がろうとするとリビングの方からでかい声がした。田嶋家の女王様。俺の天敵。むしろ癌。姉その1潔子だ。
俺が友達を連れてくる度イケメン度チェックと称して友人達を思うまま扱き下ろし、しかしその評価が的確がゆえ何も言い返せないという俺にとっても友達にとっても百害あって一理なし。タバコのような存在である。

その姉が、いつものにやけ顔でリビングから顔をだし、固まった後心なしか赤くなった顔を引っ込めた。あんなのでもちゃんと女の子らしい。

「おほほほほ。ごめんなさいねー、騒がしい子で」
「いえ。可愛らしい方ですね」
「ほら、先輩行きましょう」
「ああ。じゃあ失礼します」
「できたら呼ぶわねー」

ひらひらと手を振る母に手を振り替えす先輩のブレザーを掴んで足早に2階へ上がる。余所行きの先輩も、にこにこきゃるきゃるした母も鳥肌がたつくらい気持ちが悪い。そして先輩に対するそんな母や姉の態度がなんだか居たたまれなくて、俺は一刻も早くこの空間から逃げ出したかった。そう逃げ出したかったんだ。



「……なんかすいません」
「別にいいよ」

逃げ込むように部屋に上がり、物珍しそうにきょろきょろする先輩を置いてお茶でも取りに行こうと部屋の扉を開けたら、そこには姉その2がコーラの入ったグラスとお菓子の乗ったお盆をもって立っていた。
いつもは仕事が終わって帰宅したらジャージに着替えるくせに、化粧バッチリで服も気合い入りまくりだ。爛々と輝く目は先輩だけを捉えて動かない。目の前にいる弟には関心ゼロだ。わかったから。先輩がイケメンなのはよくわかったからもうやめて。はずかしい。ほんといや。

「はじめまして、忍の姉です」
「はじめまして天美です。忍くんはお姉さんが二人いるんですね。綺麗な方ばかりで羨ましいな」
「あらやだー!綺麗だなんてもう!」
「ねーちゃんこれありがと!じゃあね!」
「あ、ちょ、」

あからさまなお世辞に体をくねらせる気持ちの悪い姉を部屋から追い出す。やっと静かになると思ったがそんなことは全くなく。むしろもっとこの姉その2を引き留めておくべきだったと後悔した。
暫くすると下から姉二人の高い声が響いてきて、聞こえてるなんて思ってないのだろうその内容たるやとても年頃の女子が話すようなものではなく。俺が先輩に呼吸するように自然な動作で土下座してしまうようなあれだった。女ってまじこえー。

「もうなんといっていいか…うちの痴女共がほんとにほんとに」
「いいって慣れてるし。それより顔上げてよ」
「ううう」
「はは、ぶさいく」
「俺は普通です」
「はいはい」

床にへばりついてる哀れな俺を先輩が抱き起こしてくれる。優しくしてくれるな。俺は今あの痴女共に代わってあなたに謝らねばならんのだ。ほんとにごめんなさい。

しかしそんな俺の意思とは関係なく先輩が力ずくで俺の体を後ろから固定する。さすが先輩。力が強くていらっしゃる。つうかこの抱き込まれるような体制はよろしくない。しかし身動きがとれない。

「…先輩」
「ん?」
「離して下さい」
「もう土下座しない?」
「しません」
「ふうん」
「…」
「…」
「いや離して下さいよ!」
「いや」
「ふざけんひえええ」
「変な声」
「くび!なめた!」
「美味そうだったんでつい」
「ついじゃないでしょ!ほんと離して下さい!」
「うるせえな。ちゅーすんぞ」
「ちょ、顔近いです!やめて!ほんとくっつくからやめて!」
「ムカつく。そんな嫌がるなよ」
「嫌に決まってんでしょ!はーなーせー!」
「うるせえな」
「!!!」

唇を生ぬるいぶにぶにした感触が撫でる。
雲行きは怪しかった。だから早く抜け出さねばともがいた結果がこれだ。キスされた訳じゃない。なめられたのだ唇を。
楽しくてしかたがないって顔をした先輩は俺の唇を舐めた舌を見せつけるようにゆっくりと口内に戻す。心臓がビックリするような速さで脈打ってる。先輩から目が離せない。なんたるえろす。

「まっかだな、顔」
「おぎゃああああ」
「なにそれ」

どうていはいきたえた。
その後一緒に夕飯を取り、家族総出でお見送りしたらしいが全く記憶にない。これはキスではない。繰り返す。これはキスではないちょっとへペロッとなめられただけだ。よって俺のファーストキスはまだ奪われてはいないのだ。そういうことにしときたい。しとく。



田嶋 陽香(たじま はるか)
田嶋家長女
忍のことはペットだと思ってる

田嶋 潔子(たじま きよこ)
田嶋家次女
忍のことは下僕だと思ってる

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2014/06/13 ALIEN Comment(0)

生鯖って美味しいけど骨抜きすごく大変でしたからのこんばんはふくです。

今日の晩御飯は生鯖の照り焼きもどきだったんですが、なかなかに美味しかったです。私もやればできるじゃないか。
骨抜きと生臭さに何回か心が折れかけましたが、ぶりぶりつやつやの中サイズの生鯖が270円。このお値段ならなんの文句もありません。生臭さは生姜を効かせてカバー。分厚い身が美味しかった。茄子の煮物もとろとろで今日は満足満足な夕飯でした。

そしてもうしばらくしたら友人とガストです。
いい年した大人の女がドリンクバー1つで日付が変わる頃まで女子トークを繰り広げる予定。楽しみ。
なので、現在ぽちこらぽちこら打ってるエイリアン6はあげられればガスト行く前にあげてきます。9時過ぎてもアップしてなければ日付が変わった後になると思います。

ではでは。

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2014/06/10 日記 Comment(0)

ALIEN5


田嶋君の一日
放課後



放課後。人気のない校舎裏。
運動部の掛け声。吹奏楽部の演奏。行き交う生徒の話し声。ざわめき。今は全てがいつもより遠くに聞こえる。校舎と部活棟に挟まれ常に日が射さないここには、どこか湿った空気が流れていた。
校門までの近道として毎日通る場所のはずなのに、置かれた状況が違えばこうも印象が変わるのか。いつもと違う放課後が、ここにはあった。

「しのはさ、どんなシチュエーションで告白されたい?」
「……」
「可愛い手紙で呼び出されて放課後校舎裏でーとかベタなの好きそうだよな」
「……」
「手紙欲しい?」
「……」
「ああでも俺ラブレターなんて書いたことないんだよね」
「……」
「しのにやるよ。俺のはじめて」
「……」
「なあ。なんか言えよ」
「…あのっ!」
「……」
「……」

立ち尽くす俺。そして隣には宇宙人こと天美先輩がいらっしゃる。ここまではいい。いや良くないが、100歩譲って今はよしとする。今はな。
問題はここからだ。

俺達の向かい。正しくは天美先輩の向かいに居心地悪そうに佇む女子生徒。名前を畑中みくさんと言うらしい。
先輩の隣のクラスで、以前何人かで一緒に遊びにいったことがあり、その際先輩のさりげない優しさに触れうっかり恋に落ちてしまったんだとか。可哀想に。因みにこれは俺の想像じゃなく、さっき本人が言ってたから間違いない。

そう、つまり彼女は先輩にうきどき告白なうなのだ。いや実際にはうきもどきもあったもんじゃないんだけどね。
告白されるイケメン。告白する美人。棒立ちする俺。何これこわい。何でこんなことになってんの。沈黙が痛すぎてもうどうにかなりそうなんですが。


こんな状況を作ったそもそもの原因は、勿論俺の隣にいらっしゃるこの方だ。
放課後いつものように俺のクラスに来て、いつものように帰宅する俺についてきていた先輩。いつも通りじゃなかったのはそんな先輩を呼び止めた可愛い声だった。

「天美くん」
「…」
「天美くん?」
「…」
「あれ?…あの、天美くん?」
「先輩」
「なに?しの」
「……」
「えと、彼女先輩に用があるんじゃないですか?」
「ほっときゃいいじゃん」
「いやダメでしょ!」
「……………………何か用?」
「あ、う、うん!ちょっと向こうで話せないかな?」
「それ今じゃなきゃダメなわけ」
「うん。あの…大切な話なの。できたら誰にも聞」
「歩きながらで良いよな」
「え」

ねえこれ酷くない?大体わかるよね。棚橋でもわかるよね。告白の呼び出しだよね。
決死の想いで声かけてこんな返しされたら俺は泣くわ。もしくはキレる。
それなのに彼女は歩きながら早口で先輩のどこが好きかとか前会ったときのこととか話して付き合ってくださいまでちゃんといったんだぜ?彼女が話してる間こいつずっと俺に話しかけてたのにだぜ?ブラボー畑中さんあんたかっこいいよ。そして天美徹。お前はねえわ。色々ねえわ。

俺なら最初にあんな態度とられた時点でラブがヘイトに変わるね。ここまでされて尚付き合いたいと思わせる何かがこいつにあるのか。顔か。やっぱり顔なのか。もしくは彼女がドマゾなのか。
いや、合間合間で俺を睨み付けるこのごみを見るような目はドマゾには無理だな。なんだただの先輩好きか可哀想に。なんかもう先輩のこと好きすぎて怖い。

そして一通り告白が終わっても足を止めず俺に声をかけ続ける先輩に、しびれを切らしたのであろう畑中みくさんは俺達の行く手を塞ぐように正面に回り込んだ。ここで冒頭に戻る。


「あの…返事を」
「あんたさ、バカなの?」
「え」
「拒否ってんのわかんねえとかマジ空気読めねえな」
「…」
「下らねえことで時間とらせんじゃねえよ」
「帰るぞしの」
「え…でも」
「いいから」
「…ない」
「あ?」
「可愛いって、彼女だったら良かったって言ったじゃない!」
「言ってねえ。そもそもお前誰だよ」
「覚えてないの?!あの日帰りにキスしたのに!」
「知らねえよ」
「最っ低!記念日だって一緒に過ごして…愛してるって…お前だけだって言ってくれたじゃない!あたし、あたし天美くんがはじめてだったのに!」
「…」
「せん」

何だか雲行きが怪しい。さっきは前一度だけみんなで遊んだって言ってたけど、どうやら二人はもうそういう関係らしい。流石先輩。最低ちんこやろーだ。
でもなんだろう。ちょっと妙な感じだ。必死すぎるっていうか、恋する乙女って感じじゃない。後記念日って何。

まあ場違いなことだけは俺にもわかるので、さっさと退散しようと先輩に声をかけようとして、そして固まってしまった。
先輩は無表情だった。普段から表情豊かではないけど、それでも笑ったり怒ったり結構感情を表に出すタイプだ。そんな先輩が彼女を見る目はとても静かで冷たくて。何を考えているのか全然わからない。
こんな顔は見たことない。こんな

「走るぞ」
「え」
「あ、待ちなさいよ!」
「いっ」

真顔の先輩に気をとられていたら突然体が傾いた。強く掴まれた左手が痛い。しかし抗議の声をあげようにもトップスピードで走り出した先輩について行くのに必死で、うまく息も吸えない。足がもつれて何度もこけそうになる。これはしぬ。ぎぶみーさんそ。

後ろから追ってきていた畑中みくさんの怒鳴り声が聞こえなくなった頃、ようやくスピードが緩まった。肩で激しく息をする俺に対し対して息の乱れていない先輩。本当に運動も得意でいらっしゃるんですね羨ましい妬ましい。

「大丈夫?」
「だい、じょば、ない」
「あー、悪かったな」
「!!!」
「質の悪い奴は片付けたつもりだったんだけど」
「せん、ぱ」
「しのに実害は及ばないように」
「ふつうに、あやまれ、たんです、ね」
「ちゃんと……は?今何つった」
「せんぱい、は、しゃざいとは、無縁のひと、かと」
「……しのさ、朝も言ったと思うけど結構酷いよな」
「ごめちゃい」
「バカ。可愛くねえよ」

はーあ。
ぜーぜー言ってる可哀想な俺にでっかいのが盛大な溜め息と共にのし掛かってくる。でかい。重い。熱い。うっとーしい。やめて。
人の頭に顎をのせて何やらぶつぶつぶつぶつ。一人言なら他所でやってくんねえかなまじで。

「せんぱい、どけ」
「いや。つーか口悪いな」
「あつい」
「興奮しちゃう?」
「うちゅーじんめ」
「何それうける」

ヘラヘラ笑いながら先輩の長い腕が体をぎゅうぎゅう締め付ける。いやまじ苦しいから。ほんとむり。つらい。
しかし密着して気付いたこともある。
こんなに密着しても全然テンションの上がらない固い胸板の向こう側。先輩も俺と同じくらい心臓がばくばくいってる。やっぱり涼しい顔しててもあのダッシュは辛かったらしい。ざまあ。




畑中 みく
妄想系ストーカー予備軍
最近天美くんと交換日記をはじめたらしい

天美 徹
最近田嶋君と交換日記をはじめたらしい

田嶋 忍
最近先輩にノートを貰って現国の授業で使ってるらしい

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2014/06/10 ALIEN Comment(0)

岡山

今日は友達と一緒に岡山へ行ってきましたこんばんはふくです。
岡山ではひつまぶた食べたり牧場のジェラート食べたりしたんですが、一番はやっぱりこれ。



木ノ下大サーカス行ってきました!!!
もうねもうね。凄かった。
ピエロ面白い腕力凄いむきむきジャグリング盛り上げ方ぱないマジシャンのどや顔バイクヤバイ軟体動物か象がたったそしてあるいたライオンいすぎじゃね?イギリスから来たマイケルやばい。

他にも色々なんかもう凄すぎて…はじめて行ったんですが凄く凄く凄く楽しかったです。運良く当日券で一番前の席買えたんで色々かぶりつきで見れました。目の前にライオンのおしり。可愛い。しかしちとこわい。

非現実的で夢のような時間でした。またいつか行きたいなー。

後エイリアン更新しました。書くたび話が長くなっていってますね。読みにくくてごめんなさい。できるだけ短くまとめられるよう頑張ります。
さて、今回の更新で主要キャラっぽい人が出揃ったんですが、キャラが渋滞おこしてますね。主人公以外みんな濃い。まあそういうものですよね。
ギャルゲでも少年誌に掲載されるちょっとエッチな漫画でも主人公はだいたいじみなもんです。そういうもんです。
彼がその系統のあれかと言われるとちょっと違う気がしますがいいんです。無個性も個性です。今流行りの平凡受けというやつです。けして大した設定が浮かばないまま見切り発車で連載開始とかそんなことは全然…はい。

途中で主人公は実は堕天した記憶をなくした天使で、堕天する際天使の証でもある羽が下界の不浄な空気に触れ焼け落ちたまたまその灰を浴びた母から生まれそのみに天使の力を宿したいびつな存在が天美先輩とかいうとんでも設定ねじ込んでも笑って流してくれる優しい読者さんが私は好きです。主人公が記憶を取り戻し愛する神の元に戻るには先輩の魂から力を得なきゃいけないみたいな。得たらジエンドオブ先輩みたいな。うける。

あれ。何の話でしたっけ。
まあいいや。明日もしこしこ更新頑張ります。おやすみなさい。

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2014/06/09 日記 Comment(0)

ALIEN4


田嶋君の一日
昼休み



どんなに眠い授業の後でも、昼休みにはチャイムが鳴り号令が終わると共に多くの生徒が我先にと教室から飛び出していく。
それを咎める教師の声も気にせずみんなが財布片手に向かうのは食堂という名の戦場。うちの食堂は安くて旨くてボリューム満点。学校説明会で校長がアピールポイントとして上げる程度には有名らしい。

そんな戦場において上下間系などあってないようなもの。一年から三年果ては教師まで入り乱れながらの仁義なき食券争奪戦が繰り広げられているらしい。まあ券売機の前並んで買うだけなんだけどね。
中でも洋Aと呼ばれる洋食A定食はハンバーグエビフライ唐揚げと当校人気のおかず3品が揃っていることもあり、即売り切れ。伝説の逸品なんだとか。弁当派の俺には関係ないけど。別に洋Aのことなんか全然食べたくないんだからね!

同じ目的を持った多くの人間が団子になって移動する様はなかなか迫力がある。なんならもっとごった返したっていい。願わくばその状態を維持してくれ切実に。
同じく弁当組で教室に残ってる棚橋の机で弁当箱を広げながら祈るような気持ちでそちらを眺めていると、ある瞬間から人だかりが真ん中で綺麗に割れた。おおジーザス。

「やっぱきたかー」
「おい、唐揚げ寄越せ」

割れた人だかりの間からキラキラと輝く金髪が眩しい男が歩いてくる。
近付くほどにわかる逞しい体つき。染められたものではないブロンドと綺麗な青い目。美しいそれらを打ち消すほどの威圧感。重量感。でかい。むきむき。目付き悪い。多分凄い怒ってる。つまりめっちゃ怖い。
そんな最終兵器みたいな人が俺達の方へ向かって真っ直ぐ歩いてくる。カムバック変化はなくとも楽しかったあの頃。

室内に僅かに残っていた弁当組のクラスメイトが男の存在に気付くとそっと昼食を手に教室を出た。気持ちはよくわかる。
最後のクラスメイトと入れ替わりで男が教室に入ってくる。ここまで来ると彼の後ろにもう一人人間が居ることがわかる。金髪の向こうにちらちら覗く目障りなピンク。つまり

「さっきぶりしの。寂しかった?」
「ちっとも寂しくなかったです先輩」

あいつだ。天美先輩だ。

「相変わらずショボい弁当食ってんね」
「は?今日は姉ちゃん力作の唐揚げ…がない!」
「味が濃かった」
「てめえ勝手に食ってんじゃねえよ!」
「ちゃんと確認はとった」
「答えてねえだろ」
「俺の前で隙を見せるお前が悪い」
「意味わかんねえ!俺の栄養返せ!」
「てめえら俺の前でそれ以上いちゃついたら殺すぞ」
「…」
「すいません先輩」
「話しかけんじゃねえよ」

教室の空気が凍り付く。
凍り付くと言っても俺含め四人しかいないんだけどね。んで俺を先輩に売って何でもない顔して引き続き飯食ってる棚橋も多分キレてる最終兵器彼氏も当事者である先輩も含まれないから実質俺一人が死にそうな気分味わってるだけなんだけどね。

なんでこの人はこうなのか。俺に関わる人間全てを威嚇し倒し、おかげさまで俺の友達は
今やこのミラクルバカ棚橋一人だ。
この人本当は俺のこと殺すぐらいじゃ足りないくらい憎んでんじゃね?とたまに思う。結構本気で。あ、ちょっと泣けてきた。

「しの?目がうるうるしてるけど」
「めにごみがはいっただけです」
「舐め取ってやるよ」
「じぶんでとれます」
「そう。残念」

先輩が適当な椅子を持ってきて俺のとなりに体をねじ込む。いや狭いから。足めっちゃ痛い。飯すげー食べ辛い。

「龍崎も座れば」
「…」

俺達を見下ろすように立っていた最終兵器…もとい龍崎先輩に天美先輩が声をかける。

この金髪青目の360度どっからどう見てもメイドイン海外なキレてる系男子。実は日本生まれ日本育ち。龍崎虎鉄というごりごりの日本名をもつメイドインジャパンな大和男児らしい。
なんでもじいちゃんが北欧かどっかの人で覚醒遺伝がどーしたこーした。ばーちゃんかーちゃん日本人みたいなことを先輩が適当に説明してくれた。
大分怖いけど無口で周りを威圧する以外特に何をされたわけでもないのでこの際この人の事は気にしないことにする。したい。

「そっちじゃねえだろ」
「……」

龍崎先輩は素直に俺達と棚橋が座っていないところに椅子を持ってきて座ろうとした。なんにも間違ってない。100点だ。
なのに天美先輩は妙なことを口走りながら凄い悪い顔で龍崎先輩の椅子を蹴った。やめて。この人が暴れたら俺無抵抗のまま巻き込まれて死ねる。

「さっさと座れよ」
「…………………」
「あ、隣来るっすか?」

棚橋の方を見ながら先輩が言う。え。まさか俺とあんたがやってるこれをこの二人でやれって?このでかい二人で。
やめたげてよ。龍崎先輩固まってんじゃん。ほんともうやめたげて。あんたなんなの。この人の弱味でも握ってんの?

龍崎先輩が椅子を睨み付け棚橋を睨み付け椅子を睨み付け。もう一度棚橋を睨み付けたところでミラクルバカが奇跡を起こす。もうやだ。なく。
先輩も座ってんじゃねえよ。ぎちぎちじゃねえか。机が可哀想だわ。

「ほんとに座りやがった。お前らきめーわ」

神様はこの宇宙人に全てを与えたが、思いやりとか優しさという人として大切なものを与えなかったらしい。バランスがおかしなことになってるから見ろこの歪んだ人間を。綺麗な顔を綺麗に歪めて大爆笑してらっしゃる。

何も気にならない様子で引き続き飯を食う棚橋。同じくでっかい弁当広げて食べ始める先輩。俺のとなりで爆笑する宇宙人。唐揚げ抜きの白米弁当を前に食欲皆無な俺。遠巻きに教室を伺ういくつもの視線。

このまま目閉じたら気絶しないかなー。
虚しい独り言は宇宙人の笑い声にかき消されていった。



天美 徹
性格に難あり

龍崎虎鉄
友人に難あり

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2014/06/08 ALIEN Comment(0)

今日私の住んでる地域は凄くいい天気でした。
朝は犬の抜糸で病院行ったんですが、昼からは犬の毛まみれになった服を洗濯して台所の椅子を庭で干したあと、風が気持ちいい部屋でごろごろごろごろしてました。気温がそこまで高くなく、天気がよくて風が吹いててって最高ですよね。幸せ。気が付けば夜でした。一日を無駄に…ではなく贅沢な時間の使い方してやったぜ。へへ。
本日もへっぽこ街道邁進中のふくですこんばんは。

実は今日もうひとつ嬉しいことがありまして。
なんと、メールフォームからコメントをいただきました…!お名前もメルアドもなかったので返信不要ということはわかってるんですが嬉しくて嬉しくて!
ありがとうございますを伝えたくてたまらないので日記でこそこそお礼を言ってみてます。ありがとうございます。更新頑張ります(о´∀`о)

よし。スッキリしたので寝ます。
明日は岡山だー。


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2014/06/07 日記 Comment(0)

ALIEN3


田嶋君の一日
授業中


太陽が登り朝より気温の上がった教室内をそよそよと気持ちのいい風が吹き抜ける。窓の外には真っ青な空が広がり、鳥のさえずりと校庭から聞こえてくる体育中のクラスの声が心地好く耳をくすぐる。つまりはやべーすげーねみー。

現国数学と来て古典の授業とかいじめじゃね?朝から子守唄を聞かされ小竹がうるさくて寝られない数学で頭を使い、止めがこの古典。

古典の北方は小竹のように声をあらげて注意するタイプではなく、静かに眉間にシワを寄せ威圧感をにじませながらごみくずでも見るような目で生徒を叱る。おまけにこいつが黒髪オールバックのグラサン野郎ときてる。職場間違えてません?
その威圧感に加えダークスーツそして強面というスペシャルいらないオプションのおかげかこの授業で居眠りするような生徒は皆無だ。
目が弱くて薄い色のグラサンをかけてるらしいがどうせならもっとこうぴーこみたいな眼鏡にして欲しい。あれなら怖くない。いや違う意味で怖いかもしれないけど。

「じゃあ問題集の問6と7を解いていけ。分からないなら周りと相談してもいいから空白にはしないように」

地獄のような解説の時間が終わり、クラスの空気が少し緩む。暫くはかりかりとシャーペンの音が響いていたが、先生が板書をはじめるとぽつぽつとクラスメイトの抑えた話し声も上がりはじめた。
俺も周りに習って問題を解いていく。自慢じゃないが古典は得意だ。当てられたとき分かりませんで逃げることを許さない先生のおかげで予習復習ばっちり。へたれなわけじゃないぞ。真面目でいいこなだけだ。

ガンっ
「っ!」

全て解き終わりぼんやり狭山さんの可憐な背中を眺めていたら、突然尻に衝撃が走った。やっべー変な声でるとこだった。
反射的に振り返り原因である後ろの席の友人を睨み付ける。真っ直ぐ背筋を伸ばしキリッと涼しげな男らしい顔立ちをした真顔の男。椅子を蹴る以外俺を呼ぶ方法を知らないミラクルバカ棚橋。
この男俺が大嫌いなイケメン。それも運動神経抜群なイケメンなのだが、何せ頭が悪い。算数は6の段で躓いてそれきりらしい。なんてミラクル。
天美先輩が現れるまではそれでもイケメン爆発しろと思わないでもなかったのだが、最近はなんだか優しくできる。棚橋まじバかわいそう。今までごめんねとかちょっと思ってた。しかし俺のけつを蹴っていい理由にはならない。ならないのだ。

「蹴るなって言ってるだろ」
「これわかんねえ」
「何回言わすんだよ」
「問6の括弧1」
「ごめんなさいは?」
「あと括弧2」
「棚橋君?聞いてる?」
「それから括弧3」
「リピートアフタミー」
「あと問7の1と」
「ごーめーんーなーさーいー。あれなんかこれ俺が謝ってるみたいじゃね?」
「2と3と4」
「聞けよ。つうか全部じゃねえか」
「全部だな」
「ちょっとは自分で考えろ」
「考えたけどわかんねえ」
「嘘つけ」
「ふん」
「あ、腹立つ。謝るまで教えてやんねーもんね」
「すいませんでした」
「え」
「椅子を蹴ってすいませんでした」
「貴様にプライドは無いのか…!」
「お前に頭を下げた位で傷付くようなプライドは持ち合わせてねえ」
「何それよくわかんないけどかっこよさげ!今度使っていい?」
「いいから教えろ。7の2は当たってるから今すぐ教えろ」
「へい!」
「いらっ」

眉間にシワを寄せたミラクルバカ棚橋に一生懸命解説を交えつつ問題集の空欄を埋めていく。いや空欄しかないんだけどね。生意気にも解説をしないと文句を言いやがるのだこいつは。

理解しようとする姿勢は素晴らしいがまるで理解してくれないという結果がわかってるせいで心底面倒くさい。そして今日も棚橋は真顔で頷いている。
絶対わかってないわこれ。成る程とか言うなまじ腹立つから。しかも本人本気でわかってるつもりだからね。もうほんとミラクル。その得意気な顔やめろ。お前はその回答に対して一ミリの貢献もしてないからな。俺のお情け100%の回答だかんな。覚えとけ。

そして俺により導き出された完璧な回答をさらさらと黒板に書いた棚橋が颯爽と席に着く。
自信に満ち溢れたその姿からはミラクルバカの気配は感じられず、男の俺から見てもかっこいい。なので勿論女子からすればとてもかっこよくうつるわけで。

「棚橋ってまじかっこいいよね」
「ストイックな感じがいいわ」
「ねー。武士っぽい」
「わかるー。しかも頭よくね?」
「あの問題難しいもんね」
「だよねー」

うけるー。
あ。決めた。もうこいつに古典教えてやんねえ。何も教えてやんねえ。

「棚橋のばーか」
「あ?」
「ばーかばーかかーばばーか」
「みっともないから頭悪そうな話し方やめろ」
「!!!」

俺史上最高にムカついた。しかし何も言い返せなかった。無念。



田嶋 忍
古典は得意。あとは普通

棚橋
体育以外壊滅的

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2014/06/07 ALIEN Comment(0)

ALIEN2


田嶋君の一日
休み時間


窓から気持ちのいい風が吹き込む現国の授業。
定年てなんでしたっけと思わせてくれるおじいちゃん先生のゆっくりとした声をBGMに、クラスの大半が船をこいでいる。そんなどこか生温い空気のまま授業は進んでいく。まあいつものことだ。

しかし終業のチャイムが鳴る5分前に差し掛かった頃、クラスの空気は一変した。
先程まで白目を剥いて眠気と戦っていた女子達がこそこそと鏡を取り出し手櫛で髪を整えたりリップを塗ったり。大胆な子はポーチを取り出して化粧を直しはじめる。
どこかそわそわとした空気に当てられ眠っていた男共も目を覚ます。みんなずっと寝てればいいのに。もしくはチャイムなんて鳴らなければいいのに。

学校が来いとかずっと授業してたいとか最近の俺マジ真面目じゃねなんて現実逃避してたら、無情なるチャイムが学校に鳴り響いた。まあそりゃそうだ。

女子が色めき立つ。そんな中号令もそこそこに教室を飛び出そうとクラスの後ろ側のドアを思いきり引く。
はて。ドアを開けたのに壁があるとは何事だ。視線を上に上げ目の前の壁の正体をしっかりと確認し、そして静かにドアを閉めた。いや、閉めようとした。
ドアの間に挟み込まれた無駄に長い足により完全に閉めることは叶わず、同じく無駄に長い腕が隙間から伸びてきて俺の頭を掴む。でかい手だな畜生が。あ、いたい。いたいいたいいてーなくそが。あ、ごめんなさいまじやめていたい。

「なんで閉めるの」
「いや、つい」
「傷付いたんだけど」
「すいません」
「かわいく謝ってくれたら許す」
「ごめちゃい」
「真顔かよ。まあいいや」

孫悟空よろしく頭をギリギリやられて渋々ドアを開けると、クラスの空気が一気に変わる。
小さな声でキャーだとかかっこいいだとか聞こえてくるが勿論それはこいつの侵入を身をていして阻止しようとした俺に向けられたものなんかじゃない。
信じられるか?このクラス中に溢れるピンク色の空気は全部目の前のこの宇宙人に向けられた物なんだぜ。女子は宇宙人しか見えていない。頼むから見ろよ見てくれよ男共の死んだような目を。きっと俺も同じ目をしているはず。

「世の中間違ってる」
「何?難しい顔して」
「先輩はちょっと黙っててください」
「いーや」
「……」
「何その顔。うける」
「うけんでいいです。つーか別に普通だし」
「うんうん。しのは普通だよね」
「…どうせ普通ですよ」
「そういうとこは可愛い」
「普通でいいです」
「そう?」

今回も脱出に失敗したのでよろよろと自分の席に戻る。どうしてチャイムとほぼ同時に向かいの棟の3年が俺のクラスにいるのか何て言う疑問は抱くだけ無駄なのでやめておく。

なんせこいつ、運動神経抜群な上頭脳明晰。向かうところ敵無しの完全無欠イケメン(しかしピンク頭の性格破綻者である)らしいので、何をやってのけてもさすが天美先輩マジイケメンで片付くらしい。もはや人間のスペックじゃなくね?さすが宇宙人。俺にも一個なんかくれ。
そんな宇宙人相手では俺の小さな疑問なんて鼻くそほどの価値もないのだ。
あいつなんでチャイムとほぼ同時にこここれんだろ。はあ?天美先輩だからに決まってんじゃん。はい会話終了うける。

丁度真ん中辺りにある俺の席はテラスに出るにも廊下に出るにも微妙な位置で、かつ色めき立つ教室の中央にある。
当たり前のように着いてくるヤツは当たり前のように俺の前の席に座る。因みにその席の主である狭山さんは、こいつが俺のところに押し掛けてきた初日に椅子を使われて以来、チャイムと共に席を立ちかつ椅子を引いたままにしてすぐに座れるようセッティングも完璧だ。色々辛い。

「さっきどこ行こうとしてたの」
「トイレです」
「毎回行こうとしてるよな。行ってないけど」
「うんこが出そうで出なくて」
「今からトイレで浣腸してあげようか?太くて長いやつ」
「家にちゃんとしたのあるんで大丈夫です」
「マジで?一人でするの?」
「そりゃ誰かにやってもらうわけにもいきませんし」
「へえ。あれさ、どこにどうやって使う物なの」

にたにたにた。
今ならセクハラをうけるOLの気持ちがよくわかる。ここで変に反応しても何勘違いしてるんだってからかわれてさらに深みにはまっていくんだるんだ我慢しろ俺。そして早く鳴れチャイム。

教室の真ん中でクラス中の目にさらされながら浣腸の使い方を事細かに説明し終わった頃、救いのチャイムと教師が現れる。大嫌いな数学の小竹が今は天使に見える。

「おい天美、お前2年のクラスで何しとる」
「じゃあねしの」
「こら。天美!」

ひらひらと手を振って出ていくあいつと教師の声に、浮わついていたクラスの空気が普段のものに戻っていく。
そんな中やっと空いた自分の席に座る狭山さんと目があった。可愛らしい黒目がちなちょっと小さな目が、俺をとらえた瞬間汚物でも見るかのように歪む。

「…あの、あんまりああいう話回りに聞こえるような声でしない方がいいと思うよ。気持ちのいい話じゃないし…」
「はい…すいません」
「私こそなんか偉そうに言ってごめんね」
「いや、ほんとすいませんでした」

忘れていた。あいつをあしらうことにばかり気をとられ、自分がどんなにあれなことを口走っているか分かってなかった。
誰だって浣腸の事細かな使用方法とそれによってもたらされる効能なんぞ聞きたくないだろう。

ああ、さようなら俺の淡い恋。
そんで天美徹はまじ俺に詫びながら跡形もなく破裂しろ。



天美 徹
文武両道

田嶋 忍
浣腸の人

狭山さん
小動物系女子
可もなく不可もなくな男子から人気

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2014/06/06 ALIEN Comment(0)

ALIEN1


田嶋君の一日
登校


五月晴れ。そう呼ぶにふさわしい気持ちのいい朝。少し早く目が覚めたので、いつもより時間をかけて髪をいじってみる。
二人の姉から無駄な悪あがきと笑われようが、祖母から寝癖と言われようがめげずに髪を整える。

顔の造作は変えられないが、髪型や服装で印象は変えられる。せめて見苦しくない、清潔な男でありたい。女子に嫌われたくない。本音を言えばモテたい。なので俺は今日も鏡の前で戦うのだ。


「おはようしの」
「…おはようございます」

なんと言うことでしょう。
気持ちのいい朝。何時もより時間をかけてセットした頭を家を出るなり出くわした天美先輩のでかい手が撫でる。いや、撫でると言うより掻き回す。
やめて。せっかくちょっといい感じだったのに。今日の俺ちょいワイルドじゃね?とか思ってたのに。

「頭ぼさぼさ」
「誰のせいですか」
「俺だけど?」
「…」
「怒った?」

悪かったって。
そういって笑う先輩は悪いなんて微塵も思って無さそうだ。くそ。ピンク頭め。すごく細かいみつあみをたくさんしてやりたい。中々ほどけなくてイライラしろ。ほどけたらほどけたでソバージュみたくなってまたイライラしろ。

「ねえ、何考えてんの」
「先輩の頭がソバージュになればいいのにって」
「ソバージュ?おばさんパーマ?よくそんな単語しってんね」
「おばさんとソバージュと俺に失礼です。誠意ある謝罪を要求します」
「めんご。おばさんパーマかけたらちゅーしていい?」
「ダメです」
「じゃあなんでおばさんパーマ?」
「嫌がらせです」
「俺が嫌がると思ってるんだ。可愛いね」
「…」
「なあ、もっとなんか喋ってよ」
「…」
「なあって」
「あー」
「何それ」

少し垂れてる目が細められる。
クラスの女子がこいつのことをかっこいいと言うのがちょっとわかる気がする。頭のおかしな宇宙人だけど顔はいいのだ。キリッとした眉にちょっと垂れた目。綺麗な二重で濃すぎず薄すぎず整った顔立ち。
ああだからお団子ピンクでもモテるのか。結局顔かよ。全世界のイケメン滅びろ。もしくはちんこもげろ。きたれフツメンの天下。

「何笑ってるの」
「楽しいんで」
「俺と登校するのが?」
「え?」
「え?」
「その発想はなかったです」
「しのさ、結構酷いよね」
「すいません」
「いいよ。許す」

世にも下らない、何の実にもならない話をだらだら続けながら学校までの道を先輩と歩く。
告白されて断ったあの日からこっち、この人は当たり前みたいに毎朝俺の家の前で待ってる。初日、知らん顔で通りすぎようとしたら当然のように付いてきて俺のとなりでぽつぽつ独り言を言っていて。たぶん俺に向けられた言葉だったんだろうけど、変に気を持たせてもあれだと思って殆ど無視したから内容は覚えてない。

そんな日が暫く続いて、それでも毎朝話しかけてくる先輩に俺は負けた。だって声をかけてくる相手を無視するのって結構キツイ。
俺は全然悪くないのに自分がすごく嫌なやつに思えてきて、結局今に至る。意思が弱いとか言うな。人がいいだけだ。意思が弱いとか言うなまじで。

「なあ」
「何ですか」
「ちゅーしていい?」
「何でですか」
「したいから」
「嫌に決まってるでしょ」
「へえ」
「何ですかその顔」
「しのさ、頼まれたら断れないタイプだろ」
「まさか。ノーと言える日本人です」
「お前は俺とちゅーするよ。セックスも」
「しません」
「する。お前は俺を好きになるよ」
「日本語でお願いします」
「好きだ」
「お断りします」
「キスしたい」
「お断りします」

やめろ。おい。笑うな。何がおかしいんだよ。
こんなに学校に早く行きたいと思ったのは初めてかもしれない。くそ。校門がこい。




天美 徹
イケメン
ちんこはもげてない

田嶋 忍
フツメン
天下は来そうにない

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2014/06/01 ALIEN Comment(0)

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